東京教育大学付属高校第62回卒 野球部OB各位

 

拝啓

 

ご清祥にて新春をお迎えのことと拝察します。

 

 さて、近々、拙著『日独ヴェーバー論争』を上梓いたしますので、一部、献呈させていただきたく、別便にて出版社よりお送り申し上げます。

 

 顧みますと、小生、これまではひたすら前方を見て仕事に没頭してきましたが、昨年ころから、そろそろまとめをつける時期にきたかな、とも感じ始めました。それと同時に、来し方を振り返って、直接間接ご支援を受けた知友に、衷心より謝意を表したいという思いも強まりました。つきまして、添付のご挨拶にも書きましたとおり、限られたテーマの退屈な専門書ではありますが、ただ、どうしてそういうテーマに取り組んだのか、なぜ、一時期には「造反教官」ともなって知友にご心配をかけ、それ以降も批判的少数派で通してきたのか、――そういう、専門の手前にある日頃の思いを、「はじめに」「終章」「あとがき」に綴りました。

 

また、「終章」の252ページあたりではスポーツと学問との関係にも触れています。

 

そういうわけで、こういう拙著をいきなりお送りするのはたいへん失礼とは思いながらも、ともに甲子園を目指して練習に汗を流した諸兄にも、広い意味での長年のご支援に感謝する近況報告として、お送りしたいと思います。サンドイッチの中身はともかく、両側の「はじめに」と「終章」「あとがき」は、折りを見てご笑覧いただければ幸いです。

 

それでは、また夏にでも、お目にかかれるのを楽しみにしています。

 

敬具

 

2014110

 折原 浩