恵贈著作 (Kindly sent, gratefully received
writings) 2015年
本欄開設の趣旨:
小生は、教養課程の教員を長年勤め(1965~96)、「解放連続シンポジウム『闘争と学問』」(1969~72)や「公開自主講座『人間-社会論』」(1977~94)を開いていた関係もあって、多方面・多領域の知友から、著作の恵贈を受けます。また、発表した拙作との関連で、未見の方々からも、著作や論考の抜き刷りを送っていただくことがあります。
そのつど、手にとっては、ご恵贈に感謝し、心血を注がれた作品を、しかるべく熟読し、なにがしか感想もお伝えしたいと心がけてはきましたが、在職中は多忙にかまけ、退職後も、年来の仕事を細々とつづけていて、応答はなかなか思うにまかせません。
そこで、この欄を開設して、少なくとも著作拝受の事実は記録し、(当面の関心事にかかわりが深いばあいには)少々の雑感も書き添えて、とりあえずはお礼に代えたいと思います。そのうえで、いつか、老生の関心が恵贈著作に近づき、精読する機会をえましたら、そのつど感想を付記していきます。(私的に恵贈された著作につき、感想を公表するのはいかがか、とも考えましたが、公刊された著作にかんすることでもあり、とくにお断りがないかぎり、ホーム・ページへの掲載は、さしつかえないのではないかと判断します。もとより、ご異議があれば、取り下げます。)
その昔、故上原淳道先生(東大教養学部で、東洋史担当の先輩同僚)が、長年、謄写印刷の『読書雑記』を、ほぼ月一通の頻度で、表裏肉筆手書きの封筒に入れて郵送してくださっていたことがあります。小生は、いただきっぱなしで、碌に応答もせず、思い出しては恐縮するばかりです。先生の顰みに倣うことはとうていできませんが、ホーム・ページ上のこの形式でしたら、なんとか続けていけるのではないかと思います。しかし、この形式でも、昨年は御礼と応答が大幅に遅れ、申しわけありませんでした。今年も、同じようなことが多々あることでしょう。その節は、どうかご海容ください。
(2009年7月12日の本欄開設時に記。2010年2月19日、本欄2010年度版に転記。2011年2月13日、少々改訂のうえ本欄2011年度版に再録。2012年1月11日、そのまま本欄2012年度版に再録。2013年1月29日、そのまま本欄2013年度版に再録。2014年1月27日、改訂のうえ本欄2014年度版に採録。2015年3月25日、そのまま本欄2015年度版に再録)
1. 1月1日着、藤村俊郎著「ヴェーバーの『新曲』・『失楽園』対比を透視する――≪倫理≫ 論文読解のための一序説」(福島大学経済学会『商学論集』83巻3号、2014年12月、pp. 79-101)
2. 1月7日着、田島毓堂著、恒例の『私の仏教』『言魔』『ニュースに一喝』シリーズに加え、富山県高岡市伏木大相撲への出場(千秋楽で一勝)記録と所感。
3. 1月8日着、岸陽子著「中国文学を志して――私の原点」(『中国――社会と文化』29号、2014年7月、pp. 312-40) ほか。
4. 1月8日着、安藤潤一郎著「日本占領下の華北における中国回教総聯合会の設立と回民社会――日中戦争期中国の『民族問題』に関する事例研究へ向けて」(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所『アジア・アフリカ言語文化研究』87号、2014年3月、pp. 21-81)
5. 1月9日着、樋口陽一著『加藤周一と丸山眞男――日本近代の ‹知›と‹個人›』(2014年12月17日、平凡社、181
ps.)
6. 1月10日着、樋口陽一著『憲法という作為――『人』と『市民』の連関と緊張』(2009年11月26日、岩波書店、292 ps.)
7. 1月18日着、S・ヘネッケ、A・フェーネマンス編、寺園喜基訳『カール・バルト=滝沢克己往復書簡 1934-1968』(2014年12月25日、新教出版社、276 ps.)
8. 1月23日着、小路田泰直著『日本近代の起源――3・11の必然を求めて』(2015年1月21日、敬文社、319 ps.)
9. 1月30日来宅の相原亮司氏より、「東大闘争と『三里塚』を生きて」(梅沢正邦編『失敗するから人生だ。』(2013年11月14日、東洋経済新報社、pp. 263-87)
10. 1月31日着、Takemitsu
Morikawa (森川剛光), Liebessemantik
und Sozialstruktur, Transformationen in Japan von 1600 bis 1920 (2015,
Bielefeld: transkript Verlag, 317 Seiten)
11. 1月31日着、山脇直司編『科学・技術と社会倫理――その統合的思考を探る』(2015年1月28日、東大出版会、310 ps.)
12. 2月10日着、小林純著『マックス・ヴェーバー講義』(2015年1月31日、唯学書房、380 ps.)
13. 2月12日着、盛山和夫著『社会保障が経済を強くする――少子高齢社会の成長戦略』(2015年2月20日、光文社、283 ps.)
14. 2月23日着、佐藤健二著『柳田邦男の歴史社会学――続・読書空間の近代』(2015年2月27日、せりか書房、411 ps.)
15. 2月27日着、鈴木宗徳編『個人化するリスクと社会――ベック理論と現代日本』(2015年2月10日、勁草書房、316 ps.)
16. 3月5日着、尾中文哉著『「進学」の比較社会学――三つのタイ農村における「地域文化」との係わりで』(2015年2月28日、ハーベスト社、311 ps.)
“
17. 3月6日着、前島訓子著『遺跡から「聖地」へ――インド・ブッダガヤにおける「聖地」再建のダイナミクス』(名古屋大学大学院環境学研究科、社会学博士論文、2014年、267 ps.)
18. 3月19日着、木々康子著『春画と印象派――“春画を売った国賊” 林忠正をめぐって』(2015年3月10日、筑摩書房、233
ps.)
19. 3月25日着、山本義隆著『原子・原子核・原子力――わたしが講義で伝えたかったこと』(2015年3月24日、岩波書店、241 ps.)
20. 3月27日着、田中義明著『続・続 尊敬する歴史上の人々――それぞれの時代に生きた-偉人たちの記録』(2015年3月、自費出版、141 ps. 連絡先: 千葉市中央区市場町2-6、アートサロン)
21. 3月28日着、西谷能英著『出版とは闘争である』(2015年4月20日、論創社、236 ps.)
22. 4月18日着、森元孝著『石原慎太郎の社会現象学――亀裂の弁証法』(2015年4月15日、東信堂、466 ps.)
23. 4月30日着、横田理博著「第八章 現状を批判的に捉え直し改善していくために」(勢力尚雅編著『科学技術の倫理学Ⅱ』2015年3月31日、梓出版社、pp.
226-59)
24. 5月12日着、三戸公著「情報の概念――吉田情報論批判」(『中京経営研究』第24巻、2015年3月、pp. 17-35)
25. 5月14日着、成定薫編著『中山茂著作集14――パラダイムと科学革命』(2015年3月30日、編集工房 球、304 ps. )
26. 5月19日、飛雁会 (東大教養学部1954年度入学 文科Ⅱ類 3-B 同窓会) 例会にて、青木道彦著『エリザベス女王――女王を支えた側近たち』(2014年10月30日、山川出版社、92ps.)
27. 5月21日着、泊次郎著『日本の地震予知研究130年史――明治期から東日本大震災まで』(2015年5月22日、東大出版会、671
ps.)
28. 5月23日着、近藤和彦編『ヨーロッパ史講義』(2015年5月20日、山川出版社、245ps.)
29. 6月2日着、西尾幹二著『人生について』(2015年5月1日、新潮文庫、319
ps.)
30. 6月8日着、深井智朗著「W・リップマンの『公共哲学』とP・ティリヒの『組織神学』をつなぐ回路――思想の編集・出版史的考察の可能性について」(日本宗教学会『宗教研究』382号、2015年6月30日、pp. 1-25)
31. 6月15日着、片山智行著『孔子と魯迅――中国の偉大な「教育者」』(2015年6月15日、筑摩書房、414ps.)
32. 7月8日着、ヴァルター・ベンヤミン著、鹿島徹訳・評注『[新訳・評注]歴史の概念について』(2015年7月10日、未來社刊、248+3=251ps.)
33. 7月18日着、友澤悠季著『「問い」としての公害――環境社会学者・飯島伸子の思索』(2014年2月20日、勁草書房、245+60=305 ps.)
34. 7月28日着、深井智朗著「エルンスト・トレルチの家計簿」(『図書』798号、2015年8月1日、岩波書店、pp.20-25)
35. 8月13日着、牧野雅彦著『精読 アレント「全体主義の起源」』(8月10日、講談社、286
ps.)
36. 8月22日着、小林純著『ドイツ経済思想史論集Ⅲ』(2015年9月1日、唯学書房、316ps.)
37. 9月4日着、上村泰裕著『福祉のアジア――国際比較から政策構想へ』(2015年9月23日、名古屋大学出版会、264ps.)
38. 9月8日着、高橋伸夫著『経営学で考える』(2015年9月10日、有斐閣、338
ps.)
39. 9月16日着、徳永恂著『絢爛たる悲惨――ドイツ・ユダヤ思想の光と影』(2015年9月15日、作品社、296ps.)
40. 9月19日着、『週刊 金曜日』編集部の赤岩友香氏より、山本義隆著『私の1960年代』(2015年10月8日、株式会社 金曜日、365ps.)
41. 9月19日、比較歴史社会学研究会第一回 (於早稲田大学) にて、横田理博著「ウェーバーのいう『エントツァウベルンク』とは何か」(江川純一・久保田浩編『『呪術』の呪縛』、2015年3月31日、有限会社リトン、pp. 99-142)
42. 9月19日、比較歴史社会学研究会第一回 (於早稲田大学) にて、藤木貴史著「アメリカの集団的労使関係法における熟議民主主義――被用者自由選択法案を題材として」(一橋大学大学院法学研究科編『一橋法学』第14巻第2号、2015年7月、pp. 431-502)
43. 9月29日着、佐々木力著「伝統中国数学の泰斗 劉徽と冲祖之――中国論・論中国」(『未来』No.
581、2015年秋、pp. 32-41)
44. 9月29日着、佐々木力著「古代中国の懐疑主義哲学――『荘子』「斉物論」篇の一解釈」(『思想』No. 1098、2015年10月、pp. 25-49)
45. 10月2日着、多々良弘樹氏より、『生命之光』(手島郁郎創刊、原始福音信仰証誌、特集 敗戦70年、57 ps.)
46. 10月6日着、深井智朗著「〈資料〉未見で未完の友情――エルンスト・カッシーラーとパウル・ティリヒの間で交わされた二つの書簡」(『思想』No. 1098、2015年10月、pp. 116-21)
47. 10月6日着、深井智朗著「未見で未完の友情――エルンスト・カッシーラーとパウル・ティリヒの間で交わされた二つの書簡をめぐって」(『思想』No. 1098、2015年10月、pp. 122-41)
48. 10月7日着、Eihachiro
Sakai (坂井榮八郎著), Die Möser-Forschung in Japan, in: Justus Möser im
Kontext: Beiträge aus zwei Jahrzehnten, herausgegeben von Martin Siemsen und
Thomas Vogherr, 2015, Osmabrück: Selbstverlag des Vereins, S.279-88.
49. 10月7日着、ラインハルト・コゼレック、坂井榮八郎訳・解題「19世紀――ひとつの移行期」(『思想』No. 1098、2015年10月、pp. 81-100)
50. 10月10日着、中田光雄著「ハイデガー思惟と反ユダヤ主義――〈論騒〉への批判的応答」(ペーター・トラヴニー・中田光雄・斉藤元紀編『ハイデガー哲学は反ユダヤ主義か――「黒ノート」をめぐる討議』、2015年9月25日、水声社、pp. 167-226)。
51. 10月20日着、高木有氏より、フランツ・ローゼンツヴァイク、村岡晋一・橋本由美子訳『ヘーゲルと国家』(2015年10月20日、作品社、558 ps.)
52. 10月29日着、Fumiya Onaka (尾中文哉著), Max Weber and Comparison, in: Comparative
Sociology 14 (2015), pp. 478-507.
53. 11月13日着、中田光雄著『創造力の論理 テクノ・プラクシオロジー序論――カント、ハイデガー、三木清、サルトル、……から、現代情報理論まで』(2015年11月3日、創文社、381 ps.)
54. 11月16日着、佐藤俊樹著「19世紀/20世紀の転換と社会の科学――『社会学の誕生』をめぐって」(内田隆三編著『現代社会と人間への問い――いかにして現在を流動化するのか?』、2015年11月13日、せりか書房、322-49)
55. 12月2日着、中田幹男著「ウェーバーの方法論」(タイプ印刷、22ps.)
56. 12月4日着、佐久間孝正著『多国籍化する日本の学校――教育グローバル化の衝撃』(2015年11月25日、勁草書房刊、249 ps.)
57. 12月5日着、NPO福井教育アーカイブズ代表・三宅弘氏より、梅田薫著『梅田雲濱』復刻版 (2015年11月20日、NPO福井教育アーカイブズ発行、453 ps.) 巻末に付記・三宅弘著「解題 梅田雲濱との出会いから日本国憲法を通観する」(pp. 421-53)
58. 12月7日着、佐々木力監訳 小原耕一・渡部實訳『時ならぬマルクス――批判的冒険の偉大さと逆境(19-20世紀)』(2015年12月10日、未来社刊、578 ps.)
59. 12月25日着、野崎敏郎著『ヴェーバー「職業としての学問」の研究 (完全版) 』(2016年1月20日、晃洋書房刊、436+43 ps.)