恵贈著作 (Kindly sent, gratefully received
writings) 2014年
本欄開設の趣旨:
小生は、教養課程の教員を長年勤め(1965~96)、「解放連続シンポジウム『闘争と学問』」(1969~72)や「公開自主講座『人間-社会論』」(1977~94)を開いていた関係もあって、多方面・多領域の知友から、著作の恵贈を受けます。また、発表した拙作との関連で、未見の方々からも、著作や論考の抜き刷りを送っていただくことがあります。
そのつど、手にとっては、ご恵贈に感謝し、心血を注がれた作品を、しかるべく熟読し、なにがしか感想もお伝えしたいと心がけてはきましたが、在職中は多忙にかまけ、退職後も、年来の仕事を細々とつづけていて、応答はなかなか思うにまかせません。
そこで、この欄を開設して、少なくとも著作拝受の事実は記録し、(当面の関心事にかかわりが深いばあいには)少々の雑感も書き添えて、とりあえずはお礼に代えたいと思います。そのうえで、いつか、老生の関心が恵贈著作に近づき、精読する機会をえましたら、そのつど感想を付記していきます。(私的に恵贈された著作につき、感想を公表するのはいかがか、とも考えましたが、公刊された著作にかんすることでもあり、とくにお断りがないかぎり、ホームページへの掲載は、さしつかえないのではないかと判断します。もとより、ご異議があれば、取り下げます。)
その昔、故上原淳道先生(東大教養学部で、東洋史担当の先輩同僚)が、長年、謄写印刷の『読書雑記』を、ほぼ月一通の頻度で、表裏肉筆手書きの封筒に入れて郵送してくださっていたことがあります。小生は、いただきっぱなしで、碌に応答もせず、思い出しては恐縮するばかりです。先生の顰みに倣うことはとうていできませんが、ホームページ上のこの形式でしたら、なんとか続けていけるのではないかと思います。しかし、この形式でも、昨年は御礼と応答が大幅に遅れ、申しわけありませんでした。今年も、同じようなことが多々あることでしょう。その節は、どうかご海容ください。
(2009年7月12日の本欄開設時に記。2010年2月19日、本欄2010年度版に転記。2011年2月13日、少々改訂のうえ本欄2011年度版に再録。2012年1月11日、そのまま本欄2012年度版に再録。2013年1月29日、そのまま本欄2013年度版に再録。2014年1月27日、改訂のうえ本欄2014年度版に採録)
1. 1月1日着、井上悦子著「ここがあなたのふるさと」(季刊『文章歩道』第76巻冬号、2014年1月10日、高遠書房刊、pp. 10-13)
[「あなた」とは故柏原兵三、『運河』同人]
2. 1月7日着、田島毓堂著「私の仏教――年齢」「同――療法」「同――はばかる」「同――継続と奮発」「同――智慧」「同――お洒落」「同――担板漢」「同――全ては変わる」「同――鳶居させじ」「同――心自閑」「同――修証義の言語学1」「同――修証義の言語学2」、「ニュースに一喝!――靖国神社参拝、彼岸の中日は国民の休日、大島の災害」「同――何が狙いか、北朝鮮、コンクラーベ、PM 2・5、参議院ネジレ解消、良いインフレ?、莫大な契約金」、「言魔――歯、衣装、秋がない、さくら、メールボックス、宝くじの八百長」「言魔――命名権、プライスコレクション、ネット依存症、サイレン」
3. 1月17日着、上村泰裕・杉田菜穂著『光の器』、上村泰裕著「ヴェーバー『客観性論文』ノート」「『倫理論文』抜き書き」(名古屋大学文学部・大学院環境学研究科の講義・演習教材)
4. 1月19日着、富田武著『シベリア抑留者たちの戦後――冷戦下の世論と運動 1945-56年』(2013年12月30日、人文書院刊、272ps.)
5. 1月20日着、林真貴子著「内外交渉訴訟における英国弁護士の役割」(『阪大法学』第63巻第3・4号、2013年11月30日刊、pp. 507-35)
6. 1月20日着、山崎仁朗編著『日本コミュニティ政策の検証――自治体内分権と地域自治へ向けて』(2014年1月10日、東信堂刊、410 ps.)
7. 1月21日着、ローレン・レドニス著・徳永旻訳『放射能――キュリー夫妻の愛と業績の予期せぬ影響』(2013年11月25日、図書刊行会刊、205 ps.)
8. 1月22日着、青木秀男著「ホームレスの国際比較のための方法序説――フィリピン、日本、アメリカを事例に」(社会理論・動態研究所『理論と動態』第5号、2012年12月、pp. 128-49)、同「被差別部落の貧困のサイクルと下層問題」(広島部落解放研究所『部落解放研究』第19号、2013年1月31日刊、pp. 59-80)、同 “Pathways to Street and Spatial Politics on Homelessness in Metro
Manila――in the Context of a Global City of Developing Country“ in: Theory and Dynamics, vol. 6, Institute
on Social Theory and Dynamics, Hiroshima, Oct. 2013, pp. 113-38、同「戦争社会学への挑戦」(福間良明・野上元・蘭信三・石原俊編『戦争社会学の構想 [制度・体験・メディア]』、勉誠出版刊、第二章、pp. 23-42)、蘆野つづみ「思考と存在」(映画『ハンナ・アーレント』を鑑賞して)
9. 1月25日着、三宅弘著『原子力情報の公開と司法国家――情報公開法改正の課題と展望』(2014年1月30日、日本評論社刊、412 ps.)
10.2月6日着、Yagyu Kunichika (柳父圀近著), Prophetic
Nationalism: Uchimura between God and Japan, in: Shibuya Hiroshi and Chiba
Shin, Living for Jesus and Japan: The
Social and Theological Thought of Uchimura Kanzo, 2013, William B. Eerdmans
Publishing Company, Grand Rapids, Michigan/Cambridge, U. K., pp. 69-92
11. 2月7日着、山口幸夫著『福島第一原発の「汚染水問題」は止まらない』(2014年2月4日、クレヨンハウス刊、63ps.)
[拝復。寒い日がつづきます。過日には、ご多忙のところを、ご負担になるばかりの拙著に感想をお寄せくださり、『福島第一原発の「汚染水問題」は止まらない』もご恵送いただき、まことに恐縮に存じます。
事故原因の究明には向けられていた、荷担者・傍観者としての反省熱が、漸次冷め、旧態依然たる選挙結果にも絶望して、燃料棒と汚染水の処理という現実の難問の直視は避け、なにか明るい展望に救いを求める傾向が強まってきました。この状況で、科学者としての「無知の知」を堅持し、「いいにくいこと」を淡々と語られるスタンスに、感動を覚えます。老生、なにもできませんが、とりあえずURLの「恵贈著作」欄に掲載させていただきます。どうかくれぐれもご大切になさってください。2月23日、折原浩]
12.
2月12日着、山崎仁朗著「ニュルンベルク市の市民団体について、――『コミュニティの制度化』のもうひとつのかたち――」(岐阜大学地域科学部研究報告、第34号、2014年2月、pp.
97-150)
13.
2月19日着、大河原礼三著『ヨハネ黙示録と現代――キリスト教の自己批判』(2014年3月16日、ブイツーソシューソン刊、159
ps.)
[拝復。寒さがなおつづきます。さて、このたびは、『ヨハネの黙示録と現代――キリスト教の自己批判』をご恵送いただき、まことにありがとうございます。内村鑑三、矢内原忠雄にたいしてもの藤田若雄先生の批判を、パーソナルな師弟関係を超え、聖書における信仰告白の二類型にまで遡って捉え返す三部作の完結に、感嘆します。
西村秀夫さんは、ずっと矢内原を師と仰がれ、学者をやや性急に研究至上主義として斥ける点で、狷介固陋とも感じましたが、いまから振り返りますと、強靱な批判を貫かれてまことに立派だったと思います。どうかご大切に。一言御礼まで。2月21日、折原浩]
14.
2月22日着、佐藤彰一著『禁欲のヨーロッパ――修道院の起源』(2014年2月25日、中公新書刊、282ps.)
15.
3月10日着、好並晶氏より、好並隆司著『後漢魏晋史論攷――好並隆司遺稿集』(2014年2月10日、渓水社刊、334
ps.)
16.
3月18日着、青木秀男氏より、社会理論・動態研究所紀要『理論と動態』(第3巻、2013、144
ps.)、蘆野つづみ詩集『風の詩』(2011年8月刊、115ps.)
17. 3月24日着、森川剛光編Takemitsu Morikawa (Hg.), Die Welt der Liebe,
Liebessemantiken zwischen Globalität und Lokalität (2014, transcript Verlag,
Bielefeld, 384Seiten,)
18.
3月29日着、田中義明著『続 尊敬する歴史上の人々――それぞれの時代に生きた偉人たちの記録』(2014年3月、千葉市中央区市場町2-6
アートサロン刊、168ps.)
19.
3月30日着、中村光男著 Mitsuo Nakamura, The Crescent Arises
over the Banyan Tree, A Study of the Muhammadiyah Movement in a Central
Javanese Town, c. 1910s-2010, 2nd.Enlarged Edition, 2012, Singapore,
428ps.
20.
3月31日着、ウルリッヒ・ベック、エリーザベト・ベック=ゲルンスハイム著、伊藤美登里訳『グローバル時代の「家族」のかたち』(2013年3月27日、岩波書店刊、303+16=319ps.)
21.
3月31日着、山本義隆著『世界の見方の転換1天文学の復興と天地学の提唱』(2014年3月20日、みすず書房刊、356+41=397ps.)、同『世界の見方の転換2地動説の提唱と宇宙論の相克』(2014年3月20日、みすず書房刊、340+38=378ps.)、同『世界の見方の転換3
世界の一元化と天文学の改革』(2014年3月20日、みすず書房刊、427+112=
539ps.)
22.
4月5日着、ブレーズ・パスカル、原亨吉訳『パスカル数学論文集』(2014年4月10日、筑摩書店・ちくま学芸文庫刊、430ps.)
。同書に文庫版付録として、パスカル未刊の論考「幾何学的精神について」の邦訳と、解説「パスカル数学思想の歴史上の意味」を寄稿している佐々木力氏より。
23.
4 月16日着、中田光雄著『哲学とナショナリズム――ハイデガー結審』(2014年4月15日、水声社刊、290ps.)、同『現代思想と〈幾何学の起源〉――超越論的主観から超越論的客観へ』(2014年4月15日、水声社刊、264ps.)、同『差異と協成――B・スティグレールと新ヨーロッパ構想』(2014年4月15日刊、357ps.)
24.
4月19日着、田島毓堂氏より『語彙研究』11号
(2014年3月、語彙研究会刊、108
ps.)、「魔言――相撲さん、好循環、化石人間、つぎからつぎへ[食品偽装]、参議院選挙無効判決」、「ニュースに一喝!――新国立競技場と無免許運転、ああNHK、NHKの偏向、徳州会、地方公聴会、張成沢氏失脚粛清」、「閑話休題――お医者様談義」。
25.
4月21
日着、 鈴木宗徳他編『 <私> をひらく社会学――若者のための社会学入門』(2014年4月21日、大月書店刊、227
ps.)
26.
4月25日、福岡安則氏、小杉亮子氏、来宅。福岡安則著「出征中の中国大陸で発症して――ハンセン病療養所『星塚敬愛園』聞き取り」(埼玉大学大学院文化科学研究科博士後期課程紀要『日本アジア研究』11号、2014年3月、pp.
221-48)、同「最後の徴兵で沖縄戦に駆り出されて――ハンセン病療養所『星塚敬愛園』聞き取り」(同、pp.
249-75)、同「退所者どうしで結婚したけれど……――ハンセン病療養所退所者女性からの聞き取り」(同、pp.
277-93)
27.
5月9日着、大黒正伸著「アイヌ民族運動の変貌――北海道アイヌ協会の現状をめぐる覚書」(『ソシオロジカ』38巻1・2号、2014年3月発行、pp.
103-15)、同『愛と妄想のニーチェ――自分主義の社会学』(2014年5月、スラヴァ書房刊、131
ps.)
28.
5月18日の「マックス・ヴェーバー生誕150年記念シンポジウム」第3回準備会にて、荒川敏彦・下村育世著「戦後日本における暦の再編 (1) ――『迷信的』暦註の禁止と復活」(『千葉商大紀要』51巻2号、2014年3月、pp.
37-58)
29.
5月29日着、佐久間孝正著『多文化教育の充実に向けて――イギリスの経験、これからの日本』(2014年5月20日、勁草書房刊、315+14=329
ps.)
30.
6月5日着、作品社の高木有氏より、小林利明著『風景の無意識――C・D・フリードリッヒ論』(2014年5月30日、作品社刊、335
ps.)
31.
6月14日着、近藤和彦著『民のモラル――ホーガースと18世紀のイギリス』(2014年6月10日、ちくま学芸文庫刊、364
ps.)
32.
6月30日着、森政稔著『<政治的なもの> の遍歴と帰結』(2014年7月8日、青土社刊、358+22=380
ps.)
33.
7月12日着、富田武・最終講義「日本のソ連研究と私」(『成蹊法学』80号、2014年6月、pp.
13-46)
34.
7月19日着、清水靖久著「銀杏並木の向こうのジャングル」(『現代思想』42巻1号、総特集 丸山眞男生誕100年、2014年7月30日刊、pp.
200-19)、同「東大紛争と戦後民主主義」(『丸山眞男手帖』69号休刊特別号、2014年8月15日、pp.
275-82)
35.
7月22日着、作品社の高木有氏より、ポール・ホフマン/持田鋼一郎訳『ウィーン――栄光・黄昏・亡命』(2014年7月15日、作品社刊、463
ps.)
36.
7月23日着、高橋裕著「川島武宜の戦後――1945~1950年」(和田仁孝他編『法の観察――法と社会の批判的再構築に向けて』、2017年7月20日、法律文化社刊、pp.
19-52
)
[付記は、本ホーム・ページの別項「川島武宜-丸山眞男間に、法学部内で学問論争はあったか――高橋裕論文「川島武宜の戦後――1945~1950年」(和田仁孝他編『法の観察――法と社会の批判的再構築に向けて』所収)
に寄せて(12月31日)に移す]
37.
7月25日着、冨岡建周著『ルネ・デカルトと滝沢克己』(上、2009年3月25日、創言社刊、391
ps.、下、2011年6月25日、創言社刊、441
ps.)
38.
7月27日、舩橋晴俊、舩橋恵子夫妻、長男寛俊氏、来宅。寛俊氏撮影の写真作品の他、舩橋晴俊他編『原子力総合年表――福島原発震災に至る道』(2014年7月22日、すいれん舎刊、878
ps.)、舩橋恵子著『育児のジェンダー・ポリティクス』(2006年5月15日、勁草書房刊、261
ps.)、同「退職教員の略歴・業績 舩橋恵子」(2014年1月31日、『静岡大学人文社会科学部人文論集』64号の1・2 抜刷)、同「舩橋恵子論文選集(1)」(2014年2月、一般社団法人比較社会構想研究所刊、157
ps.)
[付記は、本ホーム・ページの別項「市民運動と学問との狭間に生き抜いた人――舩橋晴俊君との交信より」(12月31日)に移す]
39.
8月1日着、湯浅欽史著「八木晃介『「脱医療化」の模索』を読んで」(日本社会臨床学会編『社会臨床雑誌』22巻1号、2014年4月20日刊、pp.
78-82)
40.
8月2日着、工藤章/田嶋信雄編『戦後日独関係史』(2014年7月25日、東京大学出版会刊、525+19=244
ps.)
41.
8月25日着、小路田泰直著『卑弥呼と天皇制――王統の誕生と記紀神話』(2014年8月21日、洋泉社刊、191
ps.)
42.
9月1日着、田中義久著『コミュニケーション理論史研究 (下) ――記号論からコミュニケーション行為の地平へ』(2014年8月25日、勁草書房刊、 338+24=362
ps.)
43.
9月4日着、ジェームズ・G・マーチ、ハーバート・A・サイモン著、高橋伸夫訳『オーガニゼーションズ――現代組織論の原典』(2014年8月21日、ダイヤモンド社刊、345
ps.)
44.
9月10日着、宇井紀子氏より、藤林泰・宮内泰介・友澤悠季編『宇井純セレクション❶ 原点としての水俣病』(2014年7月31日、新泉社刊、408 ps.)、藤林泰・宮内泰介・友澤悠季編『宇井純セレクション❷ 公害に第三者はない』(2014年7月31日、新泉社刊、381ps.)、藤林泰・宮内泰介・友澤悠季編『宇井純セレクション❸
加害者からの出発』(2014年7月31日、新泉社刊、385ps.)
[この恵贈著作への応答を、「『宇井純セレクション』全三巻の刊行に寄せて――逝去八年後の追悼」と題し、本HPの別項に掲載。10月1日]
45. 9月19日着、大河原礼三著『超越神信仰とパウロ批判――戦争責任問題を考える』(2014年10月8日、ブイツーソリューション刊、127ps.)
46.9月29日着、大西晴樹著『へボンさんと日本の開化』(2014年10月1日、NHK出版刊、167
ps.、NHK
カルチャーラジオ「歴史再発見」2014年10~12月、テキスト)
47.
10月2日着、松本康編『都市社会学・入門』(2014年9月30日、有斐閣刊、311ps.)
48. 10月11日、旧社会学共闘のメンバー(石垣、久保、高口、中条、福岡、船曳鴻紅、宮本の七氏)が来宅して談論風発、下記著作を贈呈される。
宮本真巳氏より同著『看護場面の再構成――感性を磨く技法Ⅰ』(1995年4月1日、第1版第1刷、2012年2月1日、第1版第16刷、日本看護協会出版会刊、132
ps.)、同編著『援助技法としてのプロセスレコード――自己一致からエンパワメントへ』(2003年5月30日、第1刷、2005年6月20日、第2刷、精神看護出版、246
ps.)、同著「最終講義――異和感の対自化と感情活用――心と身体の包括的ケアに向けて」(『精神看護』16巻4号、2013年7月16日発行、pp.
74-85)
[1)
この最終講義は、宮本氏が、1960年代の政治的・社会的激動とくに「東大闘争」の渦中で、「大学解体」「自己否定」という信条が抽象的に語られるなか、「異和感の対自化」という着想をえ、「日常の関係性を変えるところから社会を変えよう」と、この着想を臨床・看護場面に応用して展開し、ひとつの技法と理論に仕上げる経緯を、短時間に分かりやすく解説している。若き日の苦渋にみちた体験を、粘り強く咀嚼し、ひとつの実践的理論に結実させた著者の努力と成果に乾杯!]。
船曳鴻紅氏より、平沢豊 (撮影・写真集)『東大全共闘・68-70年』(2005年、春風社)、 隈研吾著『僕の場所』(2014年4月30日、大和書房刊、247
ps.)、船曳建夫著『旅する知』(2014年8月18日、海竜社刊、333
ps.)。
[この二著は、筆者より19歳、13歳若い、別領域の著者たちが、それぞれの仕事のスタンスと方法につき、みずから語った著作で、「移動」と「旅」が、キー・コンセプトをなしている。
2)
船曳著は、1970年ころ、パリの地下鉄で偶然、故平井啓之氏に出会ったエピソードを伝える。平井氏は、乗り合わせた乗客など眼中にないかのごとく、「君たち全共闘はバカだよ。闘いはちゃんと勝たなければならないのに、負けるほう、負けるほうへと自分たちの方から寄っていくのはバカなんだ」と、怒鳴り続けたという。
平井氏と筆者は、1965~69年の短い期間、東大教養学部の同僚で、氏を筆者は、「教授会の席上でも、嫌がられることをはっきりいってのけられる」数少ないメンバーのひとりとして、尊敬していた。ある時には、氏の呼びかけに応えて、学生の雪中デモに、一緒に付き添って歩いたこともある。ところが、氏は、68年秋から、学部の評議員という管理職を「強制委任」され、苦労を重ねられた末、69年にみずから退職された。
船曳氏が、地下鉄車中の平井発言を引き取っていうように、旧全共闘メンバーは、みずからの闘いについて、もっと語ってほしい、と筆者も思う。また、故平井啓之氏については、東大闘争の経過と併せて、語りたいことが沢山ある。
船曳著は、文化人類学の手法を「旅」に活かしながら、着想のヒントをふんだんに与えてくれる好著である。
3)
建築家・隈研吾氏の著書では、思いがけず「境界人」「マックス・ウェーバー」という二節に出会って、びっくりした。以下は、本ホーム・ページの別項「『境界人』遍歴と建築作品創造――隈研吾著『僕の場所』に寄せて」に移す。
49. 10月14日着、平野健一郎著「だが、庭を耕さなければいけない――共生原論:リスボン大震災から自然と文化・文明の関係を考える」(権五定・斉藤文彦編『「多文化共生」を問い直す』、龍谷大学国際社会文化研究所叢書第17巻、2014年9月、日本経済評論社刊、pp.
39-64)
50. 10月20日着、丹邊宣彦・岡村徹也・山口博史編『豊田とトヨタ――産業グローバル化先進地域の現在』(10月10日、東信堂刊、430
ps.)
51.
10月27日着、森元孝著『理論社会学――社会構築のための媒体と論理』(2014年10月15日、東信堂刊、216
ps.)
52. 10月31日着、三宅弘著「損害軽減義務を認めた最高裁判決と債権法改正――訴訟代理人の立場から」(『獨協ロー・ジャーナル』第9号、2014年6月30日発行、pp.
3-49、 同著「情報公開法・公文書管理法と特定秘密」(『法律時報』86巻12号、pp.
111-17)、同著「公文書管理法による特定秘密の利用請求」(『法学セミナー』第716号、2014年9月、pp.
6-11)
53. 11月15日着、三笘利幸著『「価値自由」論の系譜――日本におけるマックス・ヴェーバー受容の一断面』(2014年10月28日、中川書店刊、231
ps.)
54. 11月19日着、尾中文哉著 “Max Weber and Comparison” (投稿中論文、41
ps.)
55. 11月19日着、橋本努編『現代の経済思想』(2014年10月20日、勁草書房刊、600+23=623
ps. )
56. 12月7日開催の「マックス・ヴェーバー生誕150周年記念シンポジウム 」会場 (早稲田大学早稲田キャンパス、8号館B101教室) にて。
葦名次夫著「M・ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』」(東京都高等学校「倫理・現代社会」研究会、第一回読者会&研究協議の発表記録 (22ps.) およびレジュメ (A18、B8)。
波多江悟史著「信託
(Treuhand) の思想――ヴォルフガング・ホフマン=リームの憲法理論」(『早稲田法学会誌』65巻1号、2014年、pp.
353-410)
57.
12月8日着、佐藤健二著『論文の書きかた』』(2014年12月30日、弘文堂刊、248
ps,)
58. 12月15日着、去る12月7日に「マックス・ヴェーバー生誕150周年記念シンポジウム 」に参加され、会場でお目にかかった、ヴォルフガング・シュヴェントカー氏より、ドイツで発行された「マックス・ウェーバー生誕150周年記念切手Sonderpostwertzeichen
2014, 150. Geburtstag Max Weber」と、モール・ジーベック社の最新の「マックス・ヴェーバー全集 紹介冊子」を贈られる。
59. 12月31日着、深井智朗著「第一次世界大戦とハルナックの『キリスト教の本質』」(『春秋』 No.
565, 2015年一月、春秋社、pp. 12-15)