拝啓

暖冬の予想が厳しい寒さに転じましたが、ご清祥のことと拝察いたします。

 

さて、このたび、来春早々の「安田講堂50周年」を前に、

『東大闘争総括――戦後責任・ヴェーバー研究・現場実践』

と題する拙著を、未來社から上梓いたしました。

謹んでお知らせいたします。

 

メイン・タイトルには、「東大闘争」と「総括」という、現状況では不評の二語を連ねましたが、中身はさほど挑戦的ではありません。

前者への一当事者としてのかかわりを、戦後史のなかに据えて、いちおうの「まとめ」はつけ、併せてこのさい、「生き延びて、何をしてきたか」という戦争犠牲者からの問いかけにも答えようと、つとめて平明に語ったつもりです。

ただ、そうすることが、同世代の当事者、とくに東大闘争OBOGの批判と発言を触発し、同時に、若い世代にも受け止められて、議論の契機として役立ち、共に歴史をつくっていく一助ともなれば、と祈念しております。

 

 年末・年始でご多忙の折、こういう本で、身辺をお騒がせしかねないのは、たいへん恐縮ですが、どうかご寛恕のうえ、来春118-19日の「安田講堂50周年」の前後にも、お暇の砌、ご笑覧たまわれれば幸甚と存じます。

 それでは、厳寒の候、ご自愛のうえ、よいお年をお迎えになりますよう、お祈り申し上げます。

敬具

 

2018年師走好日