残暑お見舞い申し上げます。

 

さて、このたび、昨2008年6月7日に奈良女子大で開かれたシンポジウム「マックス・ヴェーバーにおける歴史学と社会学」の報告・討論・コメントを(それぞれ若干改訂のうえ)収録した『比較歴史社会学へのいざない――マックス・ヴェーバーを知の交流点として』が、勁草書房より刊行されました。お暇の折り、ご笑覧いただければ、幸甚と存じます。

 

老生の担当報告「比較歴史社会学――マックス・ヴェーバーにおける方法定礎と理論展開」は、主催者のご好意で、当日は端折ったところも収録し、思い通りに展開できましたので、かなり長文となってしまいました。しかし、お蔭で、「カテゴリー論文」から「旧稿」をへて「世界宗教の経済倫理」シリーズへ、比較歴史社会学の方法定礎、「一般社会学」的類-類型概念の構成、非西洋文化圏(中国、インド、日本)への「個性化」的展開を、ひととおり概観-例解し、「ヴェーバー史観」の再構成も企てることができました。

また、討論では、水林彪さん、小路田泰直さんら、歴史学者と、雀部幸隆さん、松井克浩さんら、社会学者とが、一堂に会して、相互交流の一歩を踏み出し、互いに思いがけない見方に出くわして啓発されたことも、記録されています。

老生もかねがね、年来の課題『「旧稿」の再構成――全体像』のためには、類-類型概念の例示・認識手段とされている歴史的諸事実について知っておくことが不可欠と考えていましたので、これを機会に、「七十の手習い」ですが、改めて歴史の勉強を始めたいと思い立ち、『いざない』にいざなわれております。

 

今年はなにか、梅雨が明け、かっと晴れ、そのうち残暑の気配が漂い始める、という例年とは異なり、蒸し暑さがずっとつづいてときに晴れ、全般的には冷夏のようですが、どうかくれぐれもご自愛のほど、お祈り申し上げます。

 

2009819

                        折原 浩
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