E-メールとホーム・ページアドレス変更の事情

 

200911日より、E-メールとホーム・ページのアドレスを変更し、ご面倒をお掛けしますが、そうせざるをえなくなった事情を、ここに記します。

わたくしは、若い友人の勧めと助言により、E-メールとホーム・ページを利用するようになりましたが、これはあくまで、自分の思念内容を伝達する手段にすぎず、こういう手段をなにか自己目的に転化させてはならない、とつねづね感じてきました (同じことは、自動車という移動・運輸手段についてもいえます)

したがいまして、従前のヤフーのE-メールとホーム・ページのアドレスでも、自分の思念内容は伝えられ、そのかぎり、自分のほうからアドレスを変更しようとは思ってもみませんでした。

 

ところが、多分一昨年の秋だったと思いますが、NTTのセールス電話に頻繁に呼び出され、「お宅の入っているアパートに、『光ファイバー』の末端を取り付ける予定だから、これに切り換えませんか」と執拗に迫られました。わたくしは、当初には、現状のヤフーのアドレスで、不便を感じていませんでしたから、まったく取り合いませんでした。

ところが、昨年の初頭から、従前のアドレスでの接続が不安定になり始めました。これは困るので、ヤフーに問い合わせ、改善を求めました。ヤフーでは、ADSLのモデムを交換してくれて、努力してくれたのですが、症状はいっこうに改善されませんでした。

というのも、どうやら、NTTの「光ファイバー」末端が設置され、それが、ヤフーのADSL回線よりも強力で、後者を妨害し、不安定を引き起こしていたのです。ヤフーの「電話窓口」も、「ヤフーでは、お宅のアパートに末端を取り付ける計画はいまのところありませんので、長期的にみるとお客様にとっては『光ファイバー』に切り換えられたほうがよいのではないでしょうか、それもやむをえません」との良心的な応答を返してきました。

そこでやむなく、ヤフーから、NTTが推薦したプロバイダーのひとつユーセン (gyao) に切り換えましたが、一年間、ヤフーと「休止期間」契約を結び、その間に経過措置を講ずることにした次第です。

 

パソコンを利用し始めてから、このように、手段の技術的進歩が「わがもの顔」に振る舞い、「付いてこられない顧客は愚かだ」といわんばかりの傲慢に、なんどぶつかって、不愉快な思いをしたことでしょう。とりわけ、Adobeというアメリカのソフト・メーカーは、そうした傲りがはなはだしく、少し前のヴァージョンについて、「テクニカルサポート」に問い合わせると、けんもほろろに、「そんな旧製品を使っている顧客などどうでもいい、わたしたちの進歩に付いてきなさい」といわんばかりに、応答を拒否します。わたくしとしては、「即興の文化比較」のビデオを、ある程度の画質で編集できれば、自分の思念伝達の手段としては十分で、旧ヴァージョンでも、習熟して長く使い続けたいのです。手段の技術的進歩に付き合わされるのは、負担-徒労以外のなにものでもありません。

そういう顧客の事情にはまったく想像力がはたらかず、自分たちが技術的に最先端をいっている、という傲りに囚われているアメリカ系企業と、それになすすべなく追随する日本企業は、老舗か戦後新興企業か「ベンチャー・ビジネス」かのいかんを問わず、本末転倒を業として恥じないといわざるをえません。「それが弱肉強食の資本主義だ」といえば、いえないことはないでしょう。しかし、そういう「資本主義」にも、AdobeNTT、ヤフーの差異は歴然としてあります。他方、技術進歩を自己目的化している傲慢企業を放任してなにもいわない、わたくしたちひとりひとりの感性に、問題はないのでしょうか。

せめて、「顧客の倫理」として、この間の経緯を記し、なにかヤフーの欠陥から今回アドレスを変更したわけではない、という事情を、はっきりご報告しておきたいと思います。

なお、経過期間として、3月末日までは、ヤフーの旧アドレスも維持し、支障なきを期します。(200911日記、14日改訂)

 

後日談

 上記の事情で、41日より、経過期間を終えて、新メールアドレス、ホーム・ページのほうはhttp://hwm5.gyao.ne.jp/ hkoriharaに一本化しました。

  その後、支障なく移行が完了したと思っていましたら、つぎの二点で不都合が生じました。今後、メールアドレスの変更をなさる方に、なにかご参考にもなろうか、と概略を記します。

 

  ひとつは、こちらからの発信は先方に届いているのに、こちら宛てのメールが届かない、エラーが出てしまう、と何人かの方からファックスをいただきました。これは、Outlook Expressの「オプション」を、「プロバイダーにコピーを残す」としていて、その期限を指定し忘れていたため、ディスクが満杯になって、以後不通となったようです。そこで、期限を指定すると同時に、受信トレイの不要になった項目をすべて削除し、ディスクの空き容量を増やすことによって、解決できました。

これは、当方で期限指定を忘れていたのが原因で、責任は当方にあるのですが、その間、プロバイダーからは、なんの知らせも連絡もありませんでした。プロバイダーが、「お宅のコピーディスクが満杯になって、不通になっていますから、不要な項目を削除し、コピーを残す期限も指定してください」と一報してくれさえすれば、不通の間、メールをいただいたかたがたに、ご迷惑、ご不快をおかけすることもなかったのに、とも思います。

 

いまひとつは、経過措置として、ヤフーの旧アドレスも、「一年間休止コース」という契約を結んで維持し、月々310円ずつ支払ってきましたが、これについては、31日に、331日付けの解約を予告して、モデムなどを返送し(返送料、元払いで640)、まもなく解約成立の電話を受けとりました。そこで、41日からは、新アドレスに一本化されたので、ヤフーへの支払いは終わったものと思っていました。

ところが、銀行の預金通帳をみますと、月々210円ずつ、ヤフー・ジャパン名義で引き落とされているのです。そこで、また解約窓口に電話したところ、ヤフー・ジャパンとの契約がなにか残っていて、その利用料をとられているのだから、ヤフー・ジャパンのホーム・ページで有料サーヴィス利用状況を調べ、利用停止の手続きをとってほしい、とのことでした。ソフト・バンクとヤフー・ジャパンとは別会社で、ヤフー・ジャパンには電話サーヴィスがないから、どうしてもホーム・ページからアクセスしなければならないというのです。その手続きには、ヤフーのアドレスを利用していた過去のカスタマーIDと暗証番号が必要とのことでした。

こちらとしては、41日でなんとかアドレスの移行を終えたので、やれやれとヤフー関係の書類は捨ててしまってもよかったのですが、このばあいは運よく、保存していました。それで、関連書類を引っ張り出し、やっと古いカスタマーIDと暗証番号を見つけてログ・インしたところ、月々の210円とは、メールウィールス・チェック・サーヴィスの利用料だったことが判明し、200992日付けをもって利用停止の手続きをとりました。

これも、自分が結んだ契約は、不要になったらひとつひとつ解約していかなければならない、そうでなければ、自動延長となり、料金をとられても「自己責任」、といえばいえましょう。しかし、アドレスがなくなれば、リンクされていたメールウィールス・チェック・サーヴィスも不要になるのは分かりきったことなので、自動的に利用停止にしてくれてもよさそうなのに、とも思います。

人間がつくり出した技術が、いろいろ面倒を生み出し、それに振り回されて、無駄な時間を費やさなければならないのはかなわない、IT関連企業には、最先端を行こうとするよりも、もう少しきめの細かいサーヴィスを心がけてもらえないか、と改めて思った次第です。(200995日記)